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音楽、勉強・読書記録、日常の感想

真面目にギター入門したい人に向けた練習方針・方法

真面目な入門者・初心者の壁

世の中には、沢山のギター教本がありますが、自分自身色々と苦労させられてきました。初心者に向けて情報量が増えすぎることを嫌った結果と思われますが、巷に溢れる教本のほとんどは指の体操のようなものばかりで、音楽を理解するようにはできていないように思います。

音楽やギターを理解しないままに、それらの本に従って練習しても特定の曲やフレーズが弾けるようになるだけで指板を自由に使ってフレーズを考える力は身につきません。そういった事情を鑑みて、真面目な入門者・初心者に向けた記事を書こうと思いました。

 

到達点

この記事は、ただ誰々の〇〇と全く同じフレーズが弾きたいという訳ではなく、例えば、ある曲で自分なりのフレーズを考えたり、自分で考えたメロディにコードを付けられるようになることを目標としています。なので、コピーがしたいという方には向かないと思います。ただ、ギターと音楽への理解が深まるに連れて、耳コピ速度が飛躍的に上がることは約束します。

 

 

どう練習するか?

ギターの上達には、大きく分けて2つの練習が必要になります。

 

1つ目の練習

ギターと音楽を理解する練習です。勉強系の練習と言えば良いでしょうか。

 

2つ目の練習

1つ目で理解した内容を徹底的に反復して身体に染み込ませる練習です。

 

 

2つ目の練習は、徹底的に反復すれば良いだけなので、この記事では、主に1つ目の練習について書いていきます。

 

では、以下に入門者・初心者が身につけるべき要素書いていきます。

 

基本中の基本

 

1.指板の音名を覚える(特に6弦〜4弦)

 

色々な覚え方があると思いますが、トイレにでも貼って覚えましょう。

普段から弾く音を意識していると身体に自然に馴染んできます。最初から完璧を求める必要はないので、ゆっくりと覚えれば大丈夫です。

日替わりで「今日はミのフラット」などを決めて、指板上にある全てのEbの音を弾く練習をすると良いと思います。

 

2.ダイアトニックコードを理解する(Key in C でOK)

 

「なんだそれ?」と思われる方もいるとは思います。簡単に言うと、ドレミファソラシドとコードの関係と言えば良いでしょうか。キーに対する理解を深めます。

コードがどのように構成されるかを理解すれば、CM7#11 のようなテンションコードを自然に考える力が身につきます。

 

また、簡単なオンコードなど恐るるに足らず状態にもなります。

C on E とか何も怯える必要は無くなります。次の音との繋がりを考えてルート以外の音をベースに持ってきたに過ぎません。 

 

「実際の曲は音楽理論(キーなど)から外れた曲も沢山ある」みたいなことを言ってくる人は無視しましょう。キーという基盤があるから“外し”が効果的になるのです。

ギター・マガジン 最後まで読み通せる音楽理論の本(CD付き) (Guitar Magazine)

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3.指板上でのコードの5ポジションを理解する

 

ここでの説明は、非常に煩雑になってしまうので深入りは避けますが、ギターの指板上で音がどのように並んでいるかを理解します。指板を縦と横に横断してギターを理解できるようになります。

ギターの音の並びはとてもシステマティックなので、最初の壁を超えればあとは芋蔓式に理解できます。例えば、ドミソから構成されるCコードを覚えれば、ミの音を半音下げればマイナーになります。

 

理論的な支えがあると理解が深まるのでダイアトニックコードの勉強と並行させるのが良いと思います。

 

ギター教則本は、スケール練習を推奨していることが多いように思いますが、最初は徹底的にコードトーンを理解することが重要です。キーと対応させてコードトーンを理解すれば、自然にテンションがわかるようになります。複雑なコードにも恐れる必要はなくなります。 

私が使った以下の本をオススメです。

 

 

基本と簡単な応用

「基本中の基本」を理解した後にする練習です。つまり、複合的な練習です。

今は、「お前何言ってるんだ?」と思われると思いますが、気にしないでください。順を追っていけば自然にわかるはずです。

 

以下はセットです。

1. 5ポジションでダイアトニックコードのコードトーンを追う練習

2. 5ポジションでダイアトニックコードのスケールを追う練習

 

指板を自由に把握するため音の練習です。様々なポジションないし同一のポジションで弾ききる体力が身につきます。

 

3.マイナー系のダイアトニックコードを理解する

 特にポップスの分野においてですが、同主調からのコードの借用が極めて一般的に見られる手法です。そして、それが楽曲のポイントになっていることは多々あります。いわゆる“外し”です。

OasisDon't Look Back In AngerBeatlesIn My Life は、長調(メジャー)の曲にも関わらず、どこか哀愁が漂っているような雰囲気があるのは短調(マイナー)から音を借用しているからです。借用和音やモーダルインターチェンジと言ったりします。

 

 

大体この辺りまでくれば、複雑なジャズやフュージョン以外の曲に関して、歯が立たないということはなくなると思います。他にもモード・セカンダリードミナント・アッパーストラクチャートライアド・ポリモーダルなど沢山の難しい手法がありますが、自分の必要に応じてその都度補完してゆけば良いと思います。

 

音楽は言葉のような側面があります。例えば「ら抜き言葉」のように「正しくない」言葉とされていても、実際にそれを使って意思疎通ができるから問題ないという感じでしょうか。実際の聞こえ方、響きがよければなんでもアリです。

例えば、Key In C でセカンダリードミナントではないDメジャー(普通はDm)が登場することもあります。

 

理論と整合が取れないコードが出てきてもそれも音楽の味だと考えて、大きく構えましょう。“外し”はあくまで“外し”なので、音楽の基本を理解していれば大半の曲の大部分は押さえられるので安心してください。

 

4.覚えた道具を使ってひたすらコピー

 

一番楽しいところです。基礎的な理屈を知っているだけではあまり楽しくないので、好きな曲をひたすらコピーして分析しましょう! 自然に理論と実践が結びつくようになります。

 

2つ目の練習(徹底的な反復)についての補足

 

誰でもすぐに上達できる練習方法は存在しません。「自分に足りていないものは何かな?」や「どうすればうまく覚えられるかな?」と工夫しながら上達してゆくものだと思います。

 

上に書いた要素を体に染み込ませるだけでも2年くらいはかかると思います。

とても大変だと思いますが、将来的に“コピー専門ギタリスト”になることを回避できますし、少し分析したい曲に出会った時に楽譜を買う必要なくなるなど沢山のメリットがあります。インディーズであれば、そもそも楽譜がないものも沢山あるので、そういった曲をコピーすることもできるようになります。自分なりにフレーズを考えたり、コード進行の繋がりを意識しながら様々なポジションでコードを考える能力も身につきます。

 

また、曲の理解という点でも大きな変化があります。

例えば、Radiohead Creep は、メジャーとマイナーを自由に行き来していて、メロディも間を縫うように非常に巧みにできていると理解できるようになります。

他にも、「なるほど、この曲はドミナントが沢山出てくるから劇的でスケールが大きい雰囲気がするんだな」のような分析できるようになります。

 

必要なことは挙げていけばキリがないですが、以上に述べたことはギターを扱うために最低限必要なことだと思います。身に付くに連れて自由にフレーズが考えられるようになります。また、理論的なところは音楽の基礎中の基礎なので、ベースラインなど、他の楽器のフレーズを考える際にも当然役に立ちます。

 

 

あくまで個人的にですが、以上のようなメリットを考慮すれば安い投資だったと思います。私も、これを読んで意欲的になった皆さんと一緒に練習頑張ります。