捏造日記

電脳与太話

Bjork「Human Behaviour」 分析メモ

一聴してわかる通り、Bjorkの曲は普通ではない。専門的な音楽知識がない人でも明らかに何かが違うことに気付くと思う。その直感は確かで、実際に分析をしててみると、不可思議な箇所が浮かび上がってくる。

 

最近、「Human Behaviour」を分析した。

ベースのループは、Am7(A、E、C、G)提示している。

曲のメロディは4度(D)を中心に据えて、♭6度の音が登場することから、現在のモードがAエオリアンであることがわかる。

しかし、 カウベルのような楽器がメジャーの音(C#)の音を鳴っているので、全体でエオリアン+M3度という奇妙なモードを構成している。M3度とm3度の共存はブルースの常套句だが、ブルース以外のジャンルではあまりお目にかかれない珍しい音使いである。

更に、サビでは次にB♭モードに移行する。

ベースは、Am7のベースラインをB♭に平行移動させたものをループする。マイナー系のループと考えれば良い。一方、メロディは明らかにメジャー系のそれで、M3度とM7度を含んでいる。つまり、複数のモードが同時に走る構造、ポリモーダルとなっている。さらに、そこにカウベルのような音でm3度とM3度のフレーズが重なる。M7度と♭7度、m3度とM3度の共存は非常に珍しい。いや、珍しいというより、自分はこの曲以外に知らないと言った方が正しい。

 

 

 

もう降参だよ...