捏造日記

電脳与太話

一切皆名盤

極めて退屈に感じる音楽であっても、それが形成される過程に思いを馳せた途端、相対する音に凝縮された人類の歴史が語りかけてくる。偉人伝の羅列的な音楽観からすれば名盤こそ至高であろうが、音楽的素養のない人々が鳴らす音にも、生物学的遺伝子と文化的遺伝子の両方からなる人間という生物の剥き出しの感性が等しく含まれている。その事実を受け入れると、清浄の世界、一切皆名盤の境地に至る。巨大な人類の歴史の産物としての音楽という観点からすれば、作品の良し悪しなど些末な問題に過ぎなくなる。

 

仕事の合間に全くもって余計なことを考えた。