捏造日記

電脳与太話

経過観察 20210616 hideと散髪

行きつけの美容室は無い。近場で予約の取れるほとんど個人経営のような小さな店に行くと決めている。先日行った美容室の店長はhideのファンだった。店の一角にはhideグッズのコーナーが用意されていて、トレードマークであったイエローハートまで飾られていた。何より、hideを「ヒデちゃん」と呼んでいたことが彼が筋金入りであることを物語っていた。

 

自分が本当に大切にしている人や作品を知っている人に出会った時、純粋に共有できて嬉しいと思う人もいるが、半端な情熱で自分の聖域に触れられたくないと思う人もいる。店長は明らかに後者だったが、自分がzilchの話をすると、想像以上にhideを知っていることに驚き、饒舌になった。彼は毎年お墓参りに行っているとのことだった。霊園付近の花屋は未だにそれで潤っていると、嬉しそうに語ってくれた。

 

店を出る時、再び店内を見回すと先日BUNKAMURAで開催されていた「ドアノーと音楽、パリ」の本が飾られていることに気付き、「あの写真展良かったですよね。hide以外にもエディット・ピアフとかも結構聴きますよ」と伝えると目を丸くしていた。

 

私が引っ越しをしてしまったので、もうあの店に足を運ぶことはないと思うが、筋金入りのhideのファンと出会ったという記憶は残り続けると思う。