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音楽と本

2016年よく聴いたもの

世界はいつでも面白い音楽で満ちていると思っているけれども、

今年は、例年に比べて新しい音楽に手を出さない年だった。

同時代性に固執せずに、本当に良いと思ったものを時間をかけて何度も聴きこうと考えたからだと思う。

御託もほどほどに、2016年の音楽によく聴いたものを紹介しよう 

可能な限りコメントも付記しようと思う。

 

 

中東+トリップホップ

98年からレバノンで活動するグループ

中東の訛りのメロディやリズムの中毒性にやられた。

 

 

こちらは古い作品。

 一部ファンの間では、『Double Fantasy』 におけるYoko Onoの楽曲は「捨て曲」らしいが、賛同しかねる。

私には、John Lennon よりもYoko onoの楽曲の方が魅力的に感じる。とりわけ「Kiss Kiss Kiss」と「I'm Your Angel」は同じ作者が同じ年に書かれた曲には到底思えない。前者は、時代の最先端をゆくポストパンク/ニューウェーヴの萌芽であり、後者は完成されたポップ・ミュージックである。

Yoko Ono は様々な理由で世界的レベルで嫌悪されているようだけれども、少なくとも音楽に関しては非常に優れていると思う。これほどまでに優れた曲を自分で書き、優れたリズムで歌うことのできるミュージシャンは限られている。英語の発音などは瑣末な問題に過ぎない。技巧的でなく、強引に感情を掻きたてることもない。それでいて、聴き終わった後には少し前向きになれるお手本のようなポップ・ミュージック

 

 

 

 

ブログにも書いた南アフリカのビートミュージックGoqmの代表的ミュージシャン

その後、いくつか Goqmに関する記事に目を通したけれども、そのどれもGoqmの最も興味深く重要な点が抜け落ちてた。

むしろ、誤った記述していたと言っても良い。具体的に言うならば、それらの記事ではGoqmがUK Grimeから影響を受けていると書かれていた。

しかしながら、GoqmのミュージシャンはUK Grimeからの影響は受けてはいない*1。リスナーは、異なるミュージシャンの異なる楽曲に類似する要素を発見した際、それらを恣意的に繋ぎ合わせて「文脈化・体系化」しようとするものだけれども、実際がそれと異なっているというのは多々あることだ。

 

 

 

 

素朴な弾き語りも偶には良い。

 

 

京都を中心に活動するバンド/グループSupersize me 

彼らの音楽は、アンビエントであり、音響芸術であり、ポップ・ミュージックでもある。限られた本当に良い音楽の中で度々見られる、コードの制約がまるでないかのように自由に跳躍するメロディは、彼らの楽曲がポップ・ミュージックとしていかに優れているかを物語っている。ギターのいるバンドの音楽は、高性能のヘッドホンで大音量で聴くと中高音域の煩さに耳に痛くなることが多々あるのだけれども*2、彼らの音楽は相当に音量を上げてもあまり気にならないのは、意図的に脱ギターバンド的音源編集を施しているからであろうか。

 


 

かつてCocteau Twins が在籍し、今を時めくGrimesが所属するレーベルでもある4ADに所属するミュージシャン。新しい人なので、アルバムはまだ発表していない模様。

イントロのE/D- D 進行が耳に残る。


 

最近人気のHiatus Kaiyote を少し訛らせたようなイスラエルのグループ

独特の囁くようなメロディとリズムの訛りに心奪われた。

 

 

 

 

 

*1:GoqmのゴッドファーザーDJ Lug がそのように発言している

*2:MBVでさえも大音量で聴くと煩く感じる