捏造日記

電脳与太話

Venus Peter 「Every Planets Son」コード進行 曲メモと感想

昔聴いていたものをふと思い出し、せっかくなのでコピーした。まさに渋谷系サウンド。ベースラインが結構動く。オリジナルアルバムは廃盤っぽいので入手したい人はこちらから。「Every Planets Son」は、オリジナルアルバムでもベスト盤でも1曲目なので、作曲者にとっても会心の出来だったと思われる。

Deluxe Edition (The Best of V.P)

Deluxe Edition (The Best of V.P)

 

 

Venus Peterを聴いてわかることは、フリッパーズギターが突然変異ではなく、やはり渋谷を中心とするコミュニティから誕生したことだろう。いかにバッハがバロック音楽に重要であろうとも、バッハを語ることがバロック音楽を語ることとイコールで結ばれないように、フリッパーズギターを語るだけで渋谷系は語れない。

特に記載していないが、A や Dの箇所でadd9やsus4にするとUKロック感が増すので、各自演奏の際は適当に混ぜると良い。

 

Verse1

A - F#m - D - A 

 

Verse 2

D - G - A  A onG# A on F#

D - A

 

※以降、半音上に転調して同様のコード進行。

 

 イントロのフレーズはVerse1のコード進行のアルペジオ。ギターでは幾つかのポジションの可能性がある。Aを5フレット付近、F#mを2フレット付近、Dを5フレット付近で弾く方法もあるが、9~12フレット周辺で弾ききることもできる。色々な可能性が考えられるが、一応、自分の考えたポジショニングは、5フレットのAポジション、2フレットのF#mポジション、10フレットのDポジション。移動は多いがフィンガリングが簡単。

 

Verse2のポイントは、Gが登場する箇所でのAミクソリディアンへのモーダルインターチェンジ。Gリディアンを豪快に下降するベースラインが聞ける。キーセンターをミクソリディアンに変化させる手法は、60年代のBeatlesから、70年代のDavid Bowie、80年代のStone Roses、90年代のOasisに到るまで、ロックの基本中の基本。

 

個人的に、Verse2の2段目のDをDmに変化させると哀愁が増してよいと思った。 ファ#がファになることで、続くミに半音で接続することができる。声部を滑らかに繋げることで甘美な響きがする。

 

バークリーメソッドに従ってコードに対応するアヴァイラヴルノートスケールで記述しているが、実際のロックミュージシャンの多くは、スケールを中心に考えている気がする。スケールを1個飛ばしでコードを作って、コードの隙間はスケール残りの音で埋める。あまり上手く言語化できていない部分だが、コード進行をナンバーシステム的に捉え、アヴァイラヴルノートスケールを当てはめるという方法論は便利なのだが、音の内容を無視しがちなのであまりよろしくない。しかし、それ以外に上手く示す方法を知らないので、どうしてもバークリーメソッドに頼った記述になってしまう。