捏造日記

電脳与太話

コード進行・分析メモ  B.J Thomas「Raindrops keep fallin' on my head 」

 B.J Thomas「Raindrops keep fallin' on my head 」

 

バカラック御大の大名曲。歌詞も涙が出るほど素晴らしい。

アメリカンニューシネマ系の映画が好きな人は必ず知っているはず。


 

セカンダリドミナント以外は、特筆すべきダイアトニック外のコードはなし。

ただ、そのセカンダリドミナントの使い方が面白く、楽曲の肝となる。

 

Key In F

 

Intro
F - C - Bb - C

Ⅰ Ⅴ Ⅳ Ⅴ

 

言葉遊びのような朗らかなIntro。理論的な解釈は不要と判断。

 

 

Verse 1

F- FM7-F7- Bb

Am- D7- Am -D7 -Gm7×2- C7

 

最近分析したくなる曲に頻出のⅠ- ⅠM7- Ⅰ7 のクリシェから Ⅳの進行。

Mild High Club 、Velvet Underground でも見かけた。Ⅰのコードを伸ばしたいんだけど、そのままでは少し退屈かなと感じるので使用されていると解釈。また、次のⅣのドミナントになっているので、最終的には繋ぎとして機能している。

 

次は、Am- D7- Am -D7 -Gm7×2- C7つまり、Ⅲm Ⅵ-Ⅲm-Ⅵm- Ⅱm - Ⅴ の進行。

Ⅵがセカンダリドミナントとしてメジャー化されているにも関わらず、一度で解決せずに繰り返すのがとても面白い。そして、Gm7 が1小節長いのがポイント。

 

Verse 2
F- FM7
Bb- C- Am- D7- Gm7×2

Bb -C -Bb- C

 

 

Ⅰ -ⅠM7- Ⅳ- Ⅴ- Ⅲ- Ⅵ- Ⅱm-

Ⅳ- Ⅴ- Ⅳ- Ⅴ

 

 

Verse 1 に似た進行かと思えば、実はVerse 2 の導入である不思議な進行。

ⅠM7 のメロディに9thの音が入っていてオシャレ。

Ⅳ-Ⅴ はキメのようなもの。

 

 

まとめ・感想

ポップスとしてあまりに完成されていて、文句のつけようがない。最初にVerse1を提示した後、さりげなくストリングスが挿入されたと思えば、次のVerse2にはストリングスが消えているアレンジに不思議を感じる。曲自体はシンプルでもアレンジで少しずつ盛り上がりを演出する手法には何度聴いても感動がある。

 

この手の曲はベースがぼんやりとしか聞こえないので音全体の雰囲気を探って音をとる必要があるのでとても難しかった。職業作曲家のつくる音楽は、非常に難しいと思っていたけれども、想像したよりシンプルな曲で助かった。